第2回対談
とうびょう体験記
(綱分)本日は宜しくお願い致します。綱分です。
はじめに関先生の簡単な経歴を教えて頂けますか。
(関)元々CADをしていて着物が好きで着付けを習っておりましたので転職したいと思い、ブライダルに転職致しました。
そこからヘアメイク、着付けを学ぶ中で更に専門資格を取りたくなり30歳から二年間美容学校に通い、その後8年間で2店舗の美容院で働いたのち開業致しました。
今年でちょうど10周年になりました。
(綱分)すごいですね!おめでとうございます!
今回のインタビューの目的なのですが、新しく販売するゴーストコーティングが抗がん剤治療後の毛髪再生の手助けに大きく貢献できるのではないかと考えている商品なのですが、そこでもう少し踏み込んだお話をお聞かせいただきたいと思っています。ですので関先生の実際のがんについての経験談をお伺いしてもよろしいでしょうか。
(関)はい。私が去年、卵巣にできる明細胞がん、抗がん剤が効きにくい箇所のがんといわれ、手術で全摘出手術してその後の退院後の追加治療を6月末から始めて3週間クールの6回行いました。
(綱分) 手術後に更に抗がん剤治療を行われたのですね。
(関) 卵巣は単体の臓器で花粉のように他の箇所にもがん細胞を散らばせるみたいで、事前にリンパに転移してなくても後で追加治療が必要になると聞いていました。リンパには転移してなかったのですけど腹膜播種(がんの腹膜への転移の事)とかどこに飛んでいるか、潜んでいるか分からないがん細胞を叩く為に2種類の抗がん剤、パクリタキセルとカルボプラチンを使いました。多分パクリタキセルの副作用が髪の毛が抜ける方だったと思います。
(綱分) 種類によって副作用も違うんですね。
(関) そうです。がんにも抗がん剤の種類がいろいろあって、その2種類が一番卵巣がんに効くといわれていてとりあえず合うか合わないか様子見ながら打つという感じでした。
打って2週間で髪の毛が抜けてきました。引っ張れば全部とめどなく抜けるという感じで
特にお風呂がすごい大変でした。
(綱分) シャンプーしたら抜けていくってことですか?
(関)全部キリがないくらい抜けます。その掃除をするのがすごいストレスですぐに丸刈りにしてもらいました。短くすると掃除は楽だけどタオルで拭くと髪の毛が刺さるんです。
全部の髪の毛が抜けるまではそれがすごく大変でした。
(綱分)ありがとうございます。その6回の追加治療の後はどうでしたか。
(関)6回クールを予定通りに行って10月の中旬くらいを最後に治療は終わりました。
11月に終えてそこから2ヶ月くらいして産毛が生えてきたかなって感じでした。
(綱分) 2ヶ月くらいで生えてきたんですね。その新しく生えてきた髪の毛は抜ける前と変化は感じましたか。
(関)全然違いました。以前はうねりとかはないくらいのやんわり広がるくせ毛で硬毛でした。治療後に生えてきたのは細くて柔らかいクリクリのくせ毛が生えてきましたね。
(綱分) 全く違った髪質だったんですね。それから一度ゴーストコーティングのサンプル体験をしていただいたんですね。
(関)そうです。私が髪の毛が生えてきて一番くせ毛で悩んでいる時にしていただきました。
(綱分)実際に体験されてみていかがでしたか。
(関)それまでは本当に髪の毛の毛先が細くなった所がごわごわになってくるんですよね。短くても絡むんです。それがゴーストコーティングをすると絡みにくくもなったし、手触りも良くなったし、ハンドブローでもくせが収まりやすくなりましたね。
私は毛先が絡むのが嫌でショートカットにしていますが髪を伸ばしていきたい方は切りたくないと思うんですよ。伸びてくるとくせで顔に当たってくるのでそれを克服していくのにくせがマシになったらいいんじゃないかなと思います。
伸ばしている最中にウィッグをつけて生活している時でも外した時にストレスの無いようにケアをしてあげた方がいいと思います。
自分自身ががんになったことで周りにがんになった方々がいらっしゃって、お話すると髪を切りに行くタイミングやヘアケアで悩んでいる方も多く、相談に来て下さる方もご紹介で来られるようになりました。
(綱分) 治療後の髪のケアで悩む方のコミュニティができたって感じですかね。
関先生の所にいらっしゃるお客様はカラーやパーマをされている方はどれ位いらっしゃいますか。
(関)そうですね。カラーの方は数名いらっしゃいます。
(綱分)その方たちも髪質の変化を感じていらっしゃいますか。
(関) もちろんあります。みなさん同じ感じですね。
(綱分)なるほど。例えばストレートパーマをかけたい方とかいらっしゃらないですか。
(関) そこまでの方はまだいらっしゃらないですね。髪が伸びないことで悩んでる方が多いですね。
(綱分) そうなんですね。髪の成長速度が遅くなる感じですかね。
(関)毛根がダメージを受けているので。髪がない状態だとそこまでストレスがないけど、髪が生えてくると抑えられている毛の毛根が弱ってくる感覚が自分ではありましたね。
(綱分)圧迫感とか蒸れたりとかですかね。
(関) そうですね。1日ウィッグつけて仕事して終わってから外すと抑えられていたところが気になりますね。大分細くなってきたなーって。
(綱分) そうなるとウィッグを取るタイミング難しくなりますね。カバーするはずのものがかえってストレスになってるんですもんね。(関)私は春頃にウィッグを外しましたが、ずっとつけている方は抑えられているからだと思うのですが前髪の所とか伸びてない方もいますね。
(綱分)髪を守る意味でゴーストコーティングをしてみてどうですか。ハリコシ感とかしっか
りした感じとかはありましたか。
(関)そうですね。わたしはやってもらって感じました。
(綱分) まだウィッグをつけている方々はトリートメントとかはされていますか。
(関)短いからまだいいかなって人が多いですね。ただ伸びてきた方の中にはカットをしてイメージが変わって嬉しくなって今度はカラーもしたいですってなる方もいますね。今までおしゃれを楽しめなかった方からしたらもっと次に髪を綺麗にするならトリートメントかなって順序を得ていますね。
(綱分) そうですよね。実際ゴーストコーティングをされてみて担当されているお客様達にしてあげたいなっていう風に思いましたか。
(関)自分がお手入れが楽になったので商品化されたら提案していけるなって思いました。
(綱分) ありがとうございます。是非お願い致します。
後お伺いしたいのががん体験や治療を行う中で励ましや助言で心に残ったお言葉はありますか。
(関)近くにいた周りの方が一番心配したと思うのですが、自分でお店をオープンして走り続けてきたので、無理のつけが回ってきたと反省していたところなんですが、お客様には長く担当してもらいたいので体のことを一番に考えて治療に専念して帰って来てねと言っていただいた事とか治療後もみなさんからおかえりっていって頂いたことですね。
(綱分)それはうれしいですよね。では最後に次世代の美容師に向けて一言頂けますか。
(関)どの仕事でもそうだと思うのですが終わりはないですよね。学べる環境があって、学び続けれるありがたさは大事だと思います。志せる人がいればいいかなと思っています。
(綱分) 長くなりましたが以上でインタビューを終了させて頂きます。本当に貴重なお話お聞かせいただいきありがとうございました。
関 正美 さん
Rely hair & relaxtion サロンをご経営されております。http://rely.salon/